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梅雨時期の雨漏れメカニズム
令和最初の梅雨時期になりました。
西日本では記録的な豪雨となり、母方の田舎である
鹿児島も甚大な被害発生しています。
しかし梅雨は1年の上半期にとって重要な時期であり
恵みの雨が降らないと生活に必要な【水】が不足し
生活水や作物にも深刻な被害が発生いたします。
そして長雨に懸念されるのが建物に発生する【雨漏り】です。
一般的に外壁部は雨の侵入を防ぐ工法になっていますが
建物の各部位の経年劣化、または施工や設計の不具合によって
雨漏れが発生する可能性がほとんどです。
その他設備配管などによる同様な事例もありますが
ここでは外壁からの【雨漏れ】について記載させていただきます。
梅雨時期でなくても雨は数日降ることはあります。
ではなぜ梅雨時期に多く発生するのでしょうか?
当社で調査した物件の【雨漏れ】でよくある箇所として
① 【防水】
・防水層の劣化による剥がれ・亀裂箇所
・排水ドレンの破損
② 【外壁】
・外壁のひび割れ箇所
・モルタル・コンクリート等の剥がれ箇所
・塗装材の剥がれ
③ 【サッシなど外壁開口部】
・サッシ等の経年劣化による破損
・開口部建具に施工されているシーリングの経年劣化
大方、以上の箇所からの【雨漏れ】が多くあり
それらの不具合箇所には室内へと繋がる雨水の通り道があります。
少量の雨水で雨漏りする箇所は、誰もが発見できるほどの
通り道であり、たぶん外部から内部が見えるほどの大きな通り道でしょう。
一例として【外壁のひび割れ】箇所の雨漏れをご説明いたします。
まず外壁に発生する ひび割れは建物の挙動や乾燥などにより発生いたします。
その ひび割れの挙動も一定ではなく1本のひび割れに
細い箇所もあれば太い箇所もあります。
またコンクリートに太い ひび割れが発生しても
外壁塗膜材の弾性により細く目測されます。
単純に太い ひび割れには雨水も侵入しやすく
逆に細いひび割れ雨水は侵入しにくと考えられるでしょう。
しかし雨漏れに関する ひび割れの大きさは関係がないのです。
雨漏れは【圧】による要因がほとんどです。
圧には 【圧力】【気圧】【風圧】が挙げられます。
雨水が通りやすい太いひび割れでも 圧が低ければ
ひび割れ入口で止まり、内部へとは侵入いたしません。
また細い ひび割れでも圧が掛かれば内部へと侵入いたします。
例を挙げると 撥水性の高いタオルの上に水滴を垂らしても
タオル表面では水滴は染み込まず 弾くと思います
しかし 撥水性の強いタオルでも水滴を強く押し込めば吸収します。
同様に ひび割れ部にも入口で止まっている雨水上に
次から次へと雨水が当たれば、雨水は圧により内部へと浸水いたします。
これが【圧力】です。
また低気圧が発生すると天気が悪くなり雨が降ります。
低気圧により外部は気圧が高くなりますので
内部は生活環境を良くするために気圧を上げます。
クーラー除湿機などで。
それにより ひび割れ部に侵入した雨水は気圧の高い所から
低い場所へ吸い込まれていく原理です。
以上がひび割れ箇所の雨漏れメカニズムの
ほんの一例です。
雨漏れには表面上に見える『ここであろう?』箇所より
もっといろいろな要因が重なり合って起きる現象でありますので
雨漏れがはっせいした箇所の確認は当然ですが、発生した天気状況や
風向き・気温など記録するのも必要となります。